僕と先輩のマジカル・ライフ

僕と先輩のマジカル・ライフ

僕と先輩のマジカル・ライフ

「トムソーヤ」を描いていらっしゃるはやみねかおるさんの児童書じゃない本です。作者さんと表紙に惹かれて図書館で借りてきました。一見「先輩と僕」のような話かと思いましたが全く違いました。先輩は表紙の女性ではなく裏表紙の男性です。
『大学生活のスタートと同時に貧乏寮で自炊自活の生活を始めた僕。寮の先輩たちはいい人だけど変な人ばかりで、そのなかでもとりわけおかしな長曽我部先輩に「あやかし研究会」に入会させられる。でも僕は幽霊や超常現象は一切信じない。信じないったら信じない。たとえ幼なじみの春奈が霊能力者だろうと先輩が体中にオカルトグッズをつけた変人であろうと僕は規則正しく真面目な大学生活を過ごすんだ!』
あやかしをテーマにした短編集。オチはそれぞれのお話の中にあって大きなオチがあるかと構えていたけれど先輩の謎が少し見えてきたところで終了でした。あやかしがテーマなのに異様に現実味のある舞台は作者さんの実際の下宿時代を模したモノだからだそうです。キャラクターはどの人も性格がはっきりしていて人物像がありありと浮かんできます。現実だけを見つめ神や祈りを寄せ付けない快人、自らが霊能力者であやかしそのものである春奈、大学8年生(?)になってもあやかしを求め続ける先輩。三者三様の価値観の中で出会う現実とあやかしは身近にある物事の少し違った見方を教えてくれます。
続編がもし出たら読みたいです!先輩が好き!!vv