透明な旅路と

透明な旅路と

透明な旅路と

行明敬(よしゆきあきたか)は都内のホテルで娼婦を絞殺した。名前も何も知らない。殺す理由も無かった。しかし、その白い首を見ると絞めずにはいられなかったのだ。そしてその女をホテルに残し生家のある街へと車での逃亡中、交通事故でやってきたパトカーから逃れるように入った山道で白兎と和子という名の2人の子供と出会った。夜の人通りの無い山道で出会った不思議な子供達とともに吉行がたどり着く場所はーーー
あさのさんの一般書です。一般書はオチがはっきりしないイメージがあって敬遠しがちなのですがすっきりしたラストで読後感は…「フシギー」てカンジでした。白兎があさのさん作品の象徴みたいな雰囲気の少年で彼に連れられるように物語全体がファンタジーとも言える独特な空気に包まれていました。最後の「吉行さんの求めていたものと、かこの求めていたものが、偶然、重なった。」とう台詞であぁそうか…という納得ができたような気がします。